2016.11.9

大学院も2年だというのに講義を受けている。普通は1年のうちに単位を取り切って2年は研究に集中するというのが大学院生の常識だが、RSA 暗号の理解を目標に集合論から測度論、符号理論、暗号理論までを論じるというその講義は、最近になって数学の喜びを知った僕に魅力的に思えた。

数学への抵抗が無くなって良かった。

小学校のとき算数が好きだった。当時、算数が好きだと親に言ったことがあって、そのときに「高校は○○の理数科に行って欲しいなあ」と言われたのを良く覚えている。

10年後その理数科で落ちこぼれた。

なぜ落ちこぼれたか、大学に入ってプログラミングを学んでから気づいた。数学に憧れていたので無くて、その実用的な面が好きだったのだと。九九を覚えれば買い物の計算が楽になるし、確率を習えば要領良く生きる術に磨きがかかった。PHP を覚えれば Web の開発が出来るし、R を覚えれば統計処理が出来るようになるのと似ている。

高校の優秀なやつらは問題が解けたら気持ちが良いといって数学を勉強していたけど、僕はそんな刹那的な快感のために毎日10時間も勉強するモチベーションは無かった。気づいたら数学は面倒で苦手なものになっていた。

僕の興味はもっと現実的で利己的だったんだなと、今ならわかる。当時は言語化できなかったけど。

何となくで道を選んできたけど、最終的に数学を使ってデータを分析して利益を求めるデータサイエンティストに収束したというのはちゃんと最適解にはまっているじゃないかとおもった。