2016.9.23

今日は映画の日。午前中十時の映画祭で『いまを生きる』を見た。

いい話だと思った。進学校の高校に変人の先生がやってきて無気力な生徒に「いまを全力で生きる」ことを教えるという内容で、よくある先生系のドラマだったが、もっとシリアスで、例えば変人先生の言う通り自分が本当にやりたいことは何か考え続けた結果、役者を志した生徒が父親の猛反対にあい自殺してしまう。

ハッとするシーンがひとつあった。3 人生徒を選んで「自由に歩け」と言う。が、気づくと他の生徒が手拍子を始めて、3 人は手拍子に合わせて歩く。

「なぜ君たちは手拍子をした?例えバカにされようが、自分の心と向き合いなさい。順応することは危うい。自由に歩きなさい」

僕にも、昔は手拍子が聞こえていて、当たり前のように皆やってるからという理由で小中高と学校に通った。高校は選択の自由度があったが、親の言う通り、高校を出たら当然大学に行くもんだと思っていた。自然に進学校の中からせめて通学の便利な学校を選んで通い、落ちぶれて、そこでやっと、何故他の人間と同じことをやっているのか、わけがわからなくなって、やる気も出ず、サボり気味になった。手拍子は聞こえなくなったが、代わりに親の怒鳴り声が大きくなった。でも大学には憧れがあったから、自分の意思で勉強を始めたのはこの頃だったと思う。

変人先生の言動はかなり過激的だったと取られていたが、伝えたかったことは自分を大切にすることだった。彼は英語の先生だから、英語の詩を通して、心が感じたことに素直になっていいと、教えた。影響を受けて、心から芝居をやってみたいと思った彼が、親の反対にあって自殺というエピソードは、ほんとうに辛い話だった。

夜は飲みに行った。内定先に長野出身のひとがいて帰ってきたというので、一緒に飲んだ。