2019.06.23(ニューヨーク) 外国で財布をなくすタイムアタック

東京を朝10時に発った飛行機はニューヨークの朝10時に着いた。世界は場所によって時間が違うのだということを初めて実感する。朝日に向かって飛ぶので窓の外はずっと明るく、うまく寝付けず13時間を過ごした。入国審査にドキドキしていたけど「For bussiness.」「5 days.」だけで済んでしまった。Uberでマンハッタンへ向かう。乗り込むと恐らく「xxxというホテルでいいのか?」と聞かれたが聞き取れずに「Sorry?」と言うと「Little English? OK.」と英語力の不足を思い知る。

ホテルまで行って南に向かう。地下鉄の乗り方を地球の歩き方で調べた。地球の歩き方は会社のひとがニューヨークに行く前に渡してくれた。

グラウンド・ゼロに向かう。あの悲劇がこんな街中で起きたのか。ニューヨーク市民の衝撃を想った。跡地の噴水は美しかった。先輩が「あの真ん中の穴は深そうだ」と言うので星新一のおーいでてこーいの話をした。

ウォール街をふらふらと歩いて自由の女神像の島に向かうフェリー乗り場に向かう。Slackが上場したのでニューヨーク証券取引所にはslackの旗が飾られていた。旗が飾られる瞬間の映像をTwitterで見ていたので、まだ飾られているといいなと想っていたけど、飾られていて嬉しかった。

フェリー乗り場で1時間ほど待たされる。「最悪のUXだ」と先輩と言い合う。アメリカは色んなことが適当でびっくりするのだけど、Uberみたいなものも作れるし、ほんとうに良いものがどういうものかは知っているのに、どうしてあらゆる場面にそのセンスを適用しないのだろう。日本人的な完璧主義の感覚だろうか。

フェリーから降りたら財布を無くしていて先輩に笑われる。外国で財布をなくすタイムアタックがあれば5時間という記録でエントリーできる。クレカは止めればいいし現金もそんなに入ってないし予備のクレカもあるから別にいいやと思って諦めて、自由の女神像を観光していると知らん人に「お前の落とした財布、フェリーのクルーに預けたから聞いてみてね」と話かけられる。フェリーのクルーに尋ねるとボスに繋いでくれた。ボスが色んな人に聞いたり電話してくれたりする。最終的に「この船のキャプテンに会いに行け!」と言われて乗り込んだ船で、「Are you captain?」と訪ね続け、船の一番上にいたキャプテンの「Say your spell.」に答えたら財布が返ってきた。RPGみたいで面白かった。もうこれで土産話には困らないな、と先輩と笑ってマンハッタンに戻る。

ブルックリン橋を歩いて渡りたかった。ブルックリンまで地下鉄で行きダンボを冷やかしたあと橋に登る。ジョジョ2部でジョセフ・ジョースターが敵と戦うところだと先輩に教えると「ストレイツォか!」と妙に食いついてきて笑った。

渡り終えUberを呼んで飯屋に行く。先輩の友達にコロンビア大学に通っていたひとがいるらしい。その人からおすすめの店リストをもらっていたので、その中でも一押しのイタリア料理屋に行った。アメリカの料理に期待するなと言われたが、出してくるワインのセンスも良くパスタもかなり美味い。「Can I use washleat?」と言って笑われた。トイレはrest room。中学生で習ったはずなのになんで言えなかったんだろう。

トランプタワーを見たあとTop of the Rockに登った。他にも展望台はあるが、ラブライブ劇場版で登っていたからここにした。エンパイアステートビルがあんなに禍々しくライトアップされるとは知らなかった。エレベーター待ちのときに日本人に話しかけられる。50年ニューヨークに住んでいるというおじさんだった。名刺をもらう。最近は若い日本人をニューヨークで見ないと嘆いていた。