2019.06.23(東京) 飛行機は飛んだ

ニューヨークに飛ぶ日だ。5時半に起きる。直近二週間ほど心の調子が悪い日が続いて、あまり準備が進まなかった。いつも旅行に行くときに作るタイムスケジュールや地図の用意ができていない。英会話も4月に想像していたよりよっぽど話せないまま、アメリカに向かおうとしている。

リムジンバスで池袋から羽田に向かう。ファッキン重いスーツケースをガラガラが引きずって電車を乗り継いで空港に向かうのは想像しただけで面倒臭そうだったので前日のうちに予約しておいた。

空港で先輩と落ち合う。なんだか可愛いTシャツを着ている。スプラトゥーンのキャラクターらしい。登場手続きは難解だったがJALのおねいさんがスッと来てパパッとやってくれた。プレミアムエコノミーなので高級ラウンジが使える。ご飯を食べて先輩とやーやーと旅行計画を立てた。ラウンジのカレーが美味いとネットで評判だったので楽しみにしていたのに別にフツーだった。「海外の飯もだいたいそんな感じ」と先輩が言う。

先輩がiPhoneタイムゾーンをニューヨークにしながら「今はニューヨークだと夜の7時だから、もう酒を飲んでもいい」と朝からワインを飲んだ。なんじゃそりゃと笑ったけれど、どうやらそうして体内時間を合わせるらしい。わたしも真似してタイムゾーンを変えてビールを飲んだ。

飛行機は飛んだ。窓からゲートブリッジが見える。昨日友達とあの橋のふもとで「こんな鉄の塊が飛ぶなんて」と言い合ったのを思い出す。ニューヨーク行きの飛行機だから、きっととてつもなく大きいやつに乗れると思ったのに、知っているサイズ感の飛行機でがっかりだ。このサイズの飛行機が飛ぶことは、もうわたしは知っている。

飛んでからしばらくしたら機内食が出た。どういうタイミングで出てくるんだ?スケジュールあるなら教えてほしい。機内食がまずいという噂は本当だった。塩水みたいなドレッシングが割れた唇にしみた。

初めて日本以外の陸地を見た!フライトマップによるとカナダの上空にいるらしい。山々の間をうねった河川が何本も通っている。地の果てまで陸地だ!都市らしきものはひとつも見つけることができない。窓際はトイレが行きづらいと言われていたけどこの席で良かった。初めての大陸をしばらく眺めた。