2016.12.05

めまいを見た。ラストシーンがおかしくて思わず笑ってしまった。あの落ちでは悲劇なのか喜劇なのか分からない。悲劇か喜劇かわからない落ちがミステリーと呼ばせるのに丁度良い塩梅なのかもしれない。ミステリーは森博嗣しか読まないが、すべてがFになるも面白いラストだった。

レンズの絞りや画角を上手く使った演出が印象的だった。ふわっと浮かび上がるよう浅めの絞りだったり、ピントを合わせず目を凝らすよう仕向けたりと、やり手の演出家のようだった。知らんけど。アニメチックな合成を使った演出もあった。実際にアニメーションで描かれたシーンもあった。当時にしては色々やっている、と思われた。

あとで調べると、高所から下を見た時の、望遠から広角へぐっと引く演出はこの映画が初出らしい。今となっては当たり前の演出で何も思わなかったんだが、当時は珍しかったということです。

ヒッチコックはこの映画で死姦を表現したかったらしい。面白い考察だと思う。確かに「彼氏が元カノの趣味を押し付けてくる!サイテー!」とは違うもっと業の深い話だった。