2022.09.07 ソクラテス問答法をやっつける法

同僚にソクラテス問答法により相手を論破してロジカルぶり生産的な議論ができない人がいるので対策を考えた。

ソクラテスが反感を勝って処刑されたように、ソクラテス問答法は他人の主張の粗探しには使えるが、結局は何も生まず自分の身を滅ぼすのだ。そして資本主義社会における生産活動において、ソクラテス問答法だけでは生き抜けないということを教えてやる。

その1、ポジションを取り、相手にもポジションを取ることを要求する。ソクラテスはそもそも当時流行していて相対主義に対抗するためにソクラテス問答法を行った。相対主義は「それは場合によりますよね」と真理を追い求めない態度のことだ。ソクラテスは繰り返し「それってどういうことですか?」と質問を繰り返すことで相手が勝手に矛盾した主張を行ったり意見が詰まったところで揚げ足を取る。こうした背景に学べば、まず自分が相対主義でなく一貫した主張をする立場にいる必要がある。そして、相手にもそのようにポジションを取ることを要求するのだ。具体的には、議論中に相手の問答が始まる前に「意見はありませんか?」と聞く。このタイミングで問答を開始したら「つまり、意見はないと言うことでしょうか?」とやり返し、とにかく何かを言わせる。相手の主張を引き出して軸として立てることさえ出来れば、ソクラテス問答法は封じられる。

その2、論証と命題を区別し問答を後回しにし論証を押し進める。自分の主張が論理的であればそれは論証と命題に分けられる。ソクラテス問答法は「それは何か?」としか聞かないので、命題に対してしか攻撃できない。ここに隙がある。命題が間違っていたとしても命題を仮に真として論証を進めても問題ないのだ。「Aとは何か」と問答が始まったら「一旦、AはBであるとして、このときBはCと言えますよね」と自分の主張の結論までこぎつけられる。さらに、自分の「AはBである」という前提の命題が偽であったときに(ビジネスの場ではよくある)、「BはCである」という結論が受け入れられていれば「どうしたらAはBになりますかね」と生産的な議論に持ち込める。

生産的な議論をしよう。