2023.04.29 パリ以外は葡萄畑だと思っていた

順調に旅行している。いまはマラケシュからグランカナリアへ向かうところだ。

ヘルシンキで飛行機が飛ばなくなって泊まることになったせいでパリを見る時間はほぼ無かったけどボルドーの街並みとワインは存分に楽しんだ。ボルドーが、こんなに栄えている都市のひとつだとは知らなかった。フランスはパリ以外は葡萄畑だと思っていたのだ。

マラケシュは違和感しかなかった。特にフランスの植民地であった時代の名残が強く、今でもヨーロッパ人たちに食い荒らされていると感じた。かつては商人たちのマーケットだった広場は、いまはヨーロッパの観光客向けに実用上何も役に立たないものを売っている。古くからの宮殿にはヨーロッパ資本の高級コーヒー屋が入っていて、ヨーロッパ人たちが気軽な服装で遊びに来ているのに現地のスタッフは正装でせっせと給餌している。広場から外れた建物は改造されて、プールのついたジャズバーになっていてイスラム教の国でヨーロッパ人たちがワインを飲んでいた。これでいいの?

現地スタッフも職人と売り子におおきくわけられて、奥まった通りには職人たちが黙々と革を細工したり鉄を叩いたり染め物をしている一方で、表では売り子が「ヘイ!ジャパニーズ!ビンボープライス!」と言ってぼったくってくる。

職人が直接商売しているお店を探すのが楽しかった。中にはかなりの質のものが置いてあって、価格も妥当で、おれはショルダーバッグを買った。

日本は植民地になったことがないけれど、円がこのまま安くなっていけば、一等地に欧米人だけが来れるようなお店が出来てきていくのかなと思った。白馬のペンション周辺のお店の相場とか考えると既にそうなってきているのかもしれない。