2016.10.19

無事に輪講での発表を終えたボクは意気揚々と山へ向かっていた。何故山へ向かうか。僕の身体に流れる長野県民のサラブレッドの血がそうさせるのである。

創設はあきらかでないが霊験はあらたかであると伝わる観音様が、長野県庁の裏山に祀られている。名を朝日山観音と言う。昔は岩屋に祀られていたが登山道の途中の崖から落ちて死亡者が続出するというので今は車で行けるよう遷座したらしい。遷座してもクマやイノシシに注意しなければならない山の中腹ではあるが、なんと市街地から10分くらい車を走らせると着く。

観音様を拝んだ。参拝ノートなるものがあったのでペラペラと眺める。人は結構通ってきているようで今日も既に2,3コメントが足されていた。彼らの、あるいは彼女らのコメントによると、観音様は僕達を見守っているらしい。確かにこれだけ高い場所にあって市内を見渡せると見守ってくれていそうではある。長野市霊園もこういう山の見渡しの良いところで先祖様が見守ってくれてそうな感じだったなとか思いつつ、僕もせっかく来たのでコメントを残した。

観音様から市街地へ少し下ると景色が見られるよう整備された広場がある。ふつふつと沸きだった長野県民のサラブレッドの血は山に登って落ち着けたので、その広場へ向かった。

高いところから眺める街が好きだ。特に長野という街は結構イイ。端から端がわかるのだ。東京に行ってスカイツリーなんかに登ってしまうと地の果てまで街だったりして途方にくれてしまう。見通しの効く有限の街を眺めながら 4 月からの見通しの効かない東京での生活を思った。