会社をズル休みして城ヶ島に行ったその帰りにこれを書いてる。
旅の友は三田誠広のいちご同盟だった。十分なボリュームがあるかと思っていたが、さくさくと読み終えて仕舞った。
四月は君の嘘の新川直司はいちご同盟の直美をもっと救いのある形に終わらせたかったのだなと思った。いちご同盟の主人公は直美の死に関して自分のことしか考え無かったからだ。直美は最初から寝た切りだった。腫瘍があるということで切除してしまう胸を直美が主人公に見せるシーンがあって、かなり特徴的な振る舞いだと思うんだが、その後主人公は長い間見舞いに行かない。死にゆく相手との関係を深めることを恐れたのだ。そしてこれは直美も同じだった。次に行く時には直美は喉を切除して居て声が出せなくなっていた。
これはいくら何でも惨すぎるので、君嘘のかをりには楽器を持たせ自己を素直に表現させ好きな人に好かれ幸せそうに死なせたのだと思う。死に行く人と関係を深めさせた代わりに作者は主人公には幼馴染を作った。かをりには手紙にその人のことを大切にしなさいと書かせたのだ。
死に行く人とこれから生きていく人との関係を素直にやって惨すぎる話になってしまったいちご同盟に救いを与えて、これからを生きていく読書を勇気付けられる作品に仕上げた君嘘は名作だと思った。