2018.08.07

開発リーダーがキレた。より良いサービスデザインを求めた彼は、数冊読んで理論武装しプロデューサーとUXディレクターに立ち向かい、結果、デザインプロセスを見直すということを合意させた。

その会議中おれはヒヤヒヤとしていた。一触即発の事態だった。我らの開発リーダーは「何故デザインプロセスがまずいと思ったか」もっと説明するべきだったし、それを説明されなかったからといって売り言葉に買い言葉といった形で喧嘩腰になるプロデューサーもイケてなかった。それでも、さすが我らが開発リーダーと思った。ヒステリー気味になったおばさんに冷静に淡々と説明する。10年選手のプロデューサーを動かせる。変える力を持っている。

会議が終わったあと、おれは少し落ち込んでしまった。開発リーダー1人の意見、のような雰囲気になってしまったが「これは開発陣全体の総意なのだ」という雰囲気を出すべきだった。彼一人に勉強させて、彼一人に重い役割をやらせてしまった。同じくらいメンバーとして僕らが勉強していて、彼と議論できる状態であれば、あの意見の出し方も変わっただろう。

おれは今日早く帰って、彼が読んだというLeanUXと起業の科学を遅ればせながら斜めに読んだ。そこには「注力すべきことを明確にし残りを切り捨てよ」といわゆるスタートアップでよく見る文言があって、何度も目にした「新規事業を失敗させない」アイディアだったけど、おれはやっと初めて実感を持つことができた。

サービスデザインがイケてないのでは?という危機感は、誰よりも早く持っていた。6月には違和感を感じていて隣のチームのUXデザイナと話までしていたのに、その後勉強が足りなかった。今回は失敗してしまったが、おれの直感で感じた違和感は筋が良いのだ、という自信も付いたから、感じた違和感は言語化して解消できるように勉強するようにこれからは動く。

しっかし、プロデューサー、あんまり勉強してこなかったんだなあ。現場の経験による叩き上げで身についた感覚で判断しているだけで、広く世の中の話を知って判断してるわけではないんだなあ。だから新規事業の立ち上げのような、既存の経験を活かせない場所にきて見当違いの進め方をしている。メタの感覚を持たないとこういうことになる。コミュニケーションの取り方とかは好きだったから、中身が少し足りないなというのに気付いてしまったのは残念かな。僕の上司なんかは早くから「あの人はちょっとね〜」と言っていたから、上司のようなより強い嗅覚を持てるように勉強しておかないと巻き込まれて死ぬなと思った。