火曜日、件の女の子が夜に少し歩かないかと連絡が来る。映画に行くつもりでチケットを取っていたんだが、落ち込んでいる女の子を放っておけなかった。というか、相手の方が一枚上手でどう誘うと俺が動くのかよく分かってやっている…。
雑司ヶ谷の辺りを歩く。千登世橋から眺める都電荒川線と新宿が好きだ。霊園の近くを通るとき女の子が寄りたがった。彼女の家の墓が霊園にあり死んだ祖母もそこへ入ると言う。
付き合う前に一晩寝た女と墓場を彷徨う特殊性に脳みそが痺れる。
時計は10時を回って帰らせるか迷ったが、もうどうにでもなれと思ってうちに誘った。
お互いのSpotifyの今年一番聞いた曲を見せ合いながら終電が過ぎて「どうしよう」って言ったら「どうしましょうかね…」と返ってきた。関係性をはっきりさせたほうがいいと思ってるんだよね、と言ったらどうなりたいんですか？と返されて、負けたよ…と思いながら付き合いたいと思ってるよって答えた。
それから2時間くらいお互いの話をして付き合うことになった。
