日曜日だったのに外は雨だったので掃除したり彼女と電話しながら本を読んだりと部屋の中で過ごした。
彼女は最近研究が思うように進まなくて苦しんでいるらしい。それで、ネガティブ・ケイパビリティという考え方が苦しみを和らげるかもしれないという話しをどこかから聞いてきて、僕もたまに似たような苦しみを感じるときがあるから、一緒に本を読んでみようという事になった。
精神科医が書いていていて信用できそうな本を見つけたから読み始めた。その本によると、人間の脳はすぐに結論を出したがるが、ネガティブ・ケイパビリティというのは結論を保留した宙ぶらりんの状態でも耐える力だと書いてあった。僕らはそのネガティブ・ケイパビリティをどうやって身につけるのか方法論を探すために躍起になって、その本を30分程度で読みきった。結局、その本には方法論は書いてないとわかった。
このすぐに方法論を探してしまう行動自体が、僕らにネガティブ・ケイパビリティが備わっていない証拠だねと話して笑った。